フローリングの傷の退去費用について解説

この記事で解決できる悩み

  • 退去時にフローリングの傷を請求されたけど、本当に自分が払わないといけないの?
  • フローリングに傷をつけてしまったけど、全部屋分の費用を全額負担しないといけないの?
  • フローリングの退去費用の相場が知りたい。ぼったくられていないか確認したい

上記の悩みを200回以上退去の立会を行ってきた関口の体験談を聞いて参考にしてください!

Contents

フローリングの傷に関する退去費用とは

退去費用の中でも、クロス(壁紙)と並んでトラブルが多いのがフローリングの傷に関する費用です。

フローリングは面積も大きく、補修や張り替えにかかる費用も高額になりやすいため、「こんなに払えない」と感じる方も少なくありません。

しかし、正しい知識を持っていれば不当な請求に対してきちんと対応できます。

逆に、自分が負担すべき金額もきちんと把握することで、無駄なトラブルを避けることができます。

この記事では200回以上退去立会を経験した私が、フローリングの傷に関する退去費用について実体験をもとに解説していきます。

1. フローリングの耐用年数は何年?

フローリングの耐用年数は「建物の耐用年数に準ずる」

クロスと違い、フローリングには明確に「6年」「8年」といった耐用年数が定められていません。

国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、フローリング全体の張り替えは建物の耐用年数に準じて減価償却すると定められています。

木造建築の場合は耐用年数が22年、鉄筋コンクリート造(RC造)の場合は47年です。

つまり、長く住めば住むほど建物の価値が下がっていくため、入居者が負担すべき金額も少なくなっていきます。

原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(国土交通省)

「部分補修」の場合は耐用年数の考え方が異なる

ただし、フローリングを部分的に補修するだけで済む場合は、耐用年数による減価償却は適用されません。

例えば1枚の板を張り替えるだけで済む傷であれば、その補修費用はほぼ全額が入居者の負担となります。

この点がクロスと大きく異なるため、注意が必要です。

まとめると以下のようになります。

  • 部分補修で済む場合:補修費用は原則として入居者が全額負担
  • フローリング全体の張り替えが必要な場合:建物の耐用年数に基づいて減価償却が適用される

この違いを知っておくことで、精算書を見たときに「この請求は正しいのか」を判断しやすくなります。

フローリングは「部分補修か全体張り替えか」によって負担のルールが変わります。ここが最重要ポイントです!

2. どの損傷箇所のどの範囲まで負担が必要?

原則は「損傷した箇所の最小単位」での負担

フローリングの場合も、基本的な考え方はクロスと同じです。

損傷がある部分の最小単位での費用負担が原則となっています。

例えばリビングの一部に傷がある場合、その部屋全体のフローリング張り替え費用を全額請求するのは原則として認められていません。

あくまでも「傷がついた部分の補修費用」が負担の上限となります。

ただし「部屋単位」になることもある

現実的には、フローリングの一部だけを張り替えると色や木目が他の部分と合わなくなることがあります。

その場合、管理会社や施工業者から「部屋全体の張り替えが必要」と判断されることがあります。

しかしその場合でも、全額入居者負担ではなく、建物の耐用年数に基づいた減価償却が適用されるべきです。

長く住んでいるほど、入居者の実質負担額は少なくなります。

入居者負担になるケース・ならないケース

立会の経験から、フローリングに関してよくある損傷について整理します。

【入居者負担になるケース】

  • 家具を引きずったことによる深い引っかき傷
  • 重い物を落としたことによるへこみや割れ
  • 水をこぼして放置したことによる変色・膨れ・腐食
  • ペットによる引っかき傷・尿による腐食
  • タバコの焦げ跡

【入居者負担にならないケース】

  • 日照による自然な色褪せ・変色
  • 家具を置いたことによる自然なへこみ跡
  • 通常の生活で生じる細かい表面の擦り傷
  • 経年劣化による塗膜の自然な剥がれ

立会の現場でよく見るのが、家具を引きずった傷です。

引越しの搬出時に家具を引きずってしまい、長い引っかき傷が残るケースが非常に多いです。

搬出の際はフローリングの上に毛布を敷くなどの養生をするだけで、こうした傷は防ぐことができます。

水漏れ・結露による損傷は特に費用が高くなる

水回りの近くや窓際でよく見られる問題が、水や結露の放置によるフローリングの膨れや腐食です。

表面だけが傷んでいるように見えても、下地(根太や合板)まで傷んでいる場合は補修費用が大きく膨らみます。

下地まで腐食が進んでいる場合は、フローリングだけでなく下地の修繕費用も請求対象になることがあります。

日常的に水回りの拭き取りをしっかり行うことが、高額な退去費用を防ぐ大切な対策です。

水回りのフローリングは放置すると取り返しのつかないことになります。気づいたらすぐ拭き取る習慣をつけておきましょう!

3. フローリングの退去費用の相場はいくら?

部分補修の場合の相場

フローリングの損傷が軽度で、部分補修で対応できる場合の費用相場は以下の通りです。

  • キズ補修(1か所):5,000円〜15,000円程度
  • 1枚の板(1ピース)の張り替え:10,000円〜30,000円程度

補修の方法や損傷の程度、業者によって金額は異なります。

軽微な傷であれば専用の補修剤で目立たなくするだけで済む場合もありますが、深い傷やへこみは板ごとの交換が必要になることが多いです。

全体張り替えの場合の相場

フローリング全体を張り替える場合の費用相場は、1平米あたり4,000円〜8,000円程度と言われています。

6畳の部屋(約10平米)で計算すると、40,000円〜80,000円程度が目安になります。

ただしこれは張り替え総額であり、実際の入居者負担額は建物の耐用年数に基づいた減価償却後の金額になります。

例えば木造建築(耐用年数22年)に10年住んでいた場合、残存価値は約55%程度になります。

その分が差し引かれるため、入居者が実際に負担する金額は張り替え総額よりもかなり少なくなることがほとんどです。

精算書で必ず確認すべきポイント

退去後に届く精算書には、フローリングの修繕費用が記載されています。

その際に以下のポイントを必ず確認してください。

  • 補修なのか張り替えなのか、作業内容が明記されているか
  • 張り替えの場合、面積(平米数)が正確かどうか
  • 単価(1平米あたりの金額)が相場の範囲内かどうか
  • 全体張り替えの場合、耐用年数に基づく減価償却が適用されているかどうか

もし「部分補修で済む傷なのに部屋全体の張り替え費用を全額請求されている」「耐用年数の考慮がされていない」といった場合は、管理会社に内訳の説明を求める権利があります。

泣き寝入りせず、納得できるまで確認しましょう。

精算書は必ず「補修か張り替えか」「面積は正しいか」「減価償却されているか」の3点を確認してください!

4. 退去前にできること

ここまでで、フローリングの費用負担のルールについて理解していただけたと思います。

では実際に退去前にできることは何があるのか、具体的にお伝えしていきます。

少しの手間で数千円〜数万円の節約につながることもありますので、ぜひ参考にしてください。

まず入居時の写真と現状を比較する

退去前にまず行うべきことは、入居時に撮影した写真と現在の部屋の状態を比較することです。

入居時からすでにあったフローリングの傷や変色は、原則としてあなたの負担にはなりません。

写真があれば、立会の場で「この傷は入居時からありました」と主張する根拠になります。

もし入居時に写真を撮っていなかった方は、次の引越しでは必ず撮影するようにしてください。

入居当日にフローリング全体を動画で撮影しておくだけで十分です。

それだけで退去時のトラブルリスクをかなり下げることができます。

小さな傷は市販の補修グッズで対処できる場合がある

フローリングの小さな傷やへこみは、市販の補修グッズで目立たなくできることがあります。

ホームセンターには「フローリング補修クレヨン」や「補修パテ」などが販売されています。

色を合わせて塗り込むだけで、浅い傷であれば目立たなくすることができます。

ただし一点注意が必要です。

補修の仕上がりが粗い場合は、かえって損傷範囲が広がったと判断されることもあります。

立会の現場でも、自分で補修しようとして逆効果になっているケースを何度か見てきました。

自分での補修は浅い表面の傷程度にとどめておくのが無難です。

深い傷やへこみ、腐食が進んでいる箇所は無理に手を加えず、そのままにしておく方が良い場合がほとんどです。

家具の搬出時は必ず養生をする

退去時のフローリング傷で最も多いのが、引越し搬出時に家具を引きずることで生じる傷です。

重い家具をそのまま引きずると、フローリングに深い線状の傷が残ります。

これは立会でも頻繁に確認される損傷で、入居者負担となるケースがほとんどです。

対策としては、搬出前にフローリングの上に毛布や養生シートを敷くだけで十分です。

引越し業者に依頼する場合は、養生をしてもらえるか事前に確認しておきましょう。

自分で搬出する場合は、ホームセンターで養生シートを購入しておくことを強くおすすめします。

水回りの状態を早めに確認する

キッチンや洗面台、洗濯機置き場の周辺は、水漏れや結露によるフローリングの傷みが発生しやすい箇所です。

退去前に改めてこれらの箇所を確認し、膨れや変色がないかチェックしてみてください。

もし傷みが見つかった場合は、早めに管理会社へ相談することで、費用交渉の余地が生まれることもあります。

黙って立会を迎えるよりも、事前に申告しておく方がトラブルになりにくいことが多いです。

立会前日に家具を動かして床を確認する

引越し当日はバタバタしていて、床の細かい状態まで確認する余裕がないことがほとんどです。

そのため立会の前日に、家具や荷物を動かした後のフローリングをしっかりチェックすることをおすすめします。

ソファやベッドの下など、長期間見えていなかった箇所に傷や汚れが潜んでいることがよくあります。

発見した損傷が補修できる程度であれば、立会前日に対処しておきましょう。

立会当日に初めて気づくよりも、前日に把握しておく方が心の余裕も生まれます。

引越し当日は本当に時間がありません。前日の確認が、余計な出費を防ぐ最後のチャンスです!

立会時に疑問があればその場で質問する

退去立会の場で管理会社の担当者から「ここは費用がかかります」と言われた時に、黙ってサインをしてしまう方が非常に多いです。

しかし立会の場はあなたが疑問を解消できる大切な機会です。

「これは入居時からあった傷ではないですか?」「部分補修ではなく全体張り替えが必要な理由を教えてください」など、その場で納得いくまで確認することが大切です。

一度サインをしてしまうと、後から異議を申し立てることが非常に難しくなります。

納得できない場合はサインを保留し、後日書面で回答をもらうよう求めることもできます。

5. フローリングの傷のトラブル事例と対処法

ここからは、実際の立会で経験したトラブル事例と、その対処法をお伝えします。

似たような状況に当てはまる方は、ぜひ参考にしてみてください。

事例①「傷1か所なのに部屋全体の張り替え費用を請求された」

最もよくあるトラブルのひとつが、小さな傷1か所に対して部屋全体のフローリング張り替え費用を請求されるケースです。

管理会社側の言い分としては、「部分的に張り替えると色や木目が合わないため、全体を張り替える必要がある」というものです。

これは必ずしも不当とは言えませんが、全額を入居者が負担する必要はありません。

全体張り替えが必要な場合でも、建物の耐用年数に基づいた減価償却が適用されるため、長く住んでいるほど負担額は減ります。

「全体張り替えが必要な理由」と「耐用年数に基づく減価償却の計算」を管理会社に求めることが、この場合の正しい対処法です。

事例②「入居時からあった傷なのに請求された」

次によくあるのが、入居時から存在していた傷なのに退去時に請求されてしまうケースです。

この場合、入居時の写真や動画が最大の武器になります。

「入居当日に撮影したこの写真を見ると、同じ箇所にすでに傷があります」と示すことができれば、請求を取り下げてもらえることがほとんどです。

写真がない場合は、入居時に記入した「入居チェックシート」が証拠になることもあります。

入居時のチェックシートは必ず保管しておくようにしましょう。

事例③「ペット不可物件でペットを飼っていた場合」

ペット不可物件でペットを飼育していた場合、フローリングの傷や汚れは通常よりも厳しく判断されます。

この場合は契約違反となるため、減価償却による割引が適用されないことがあり、補修費用の全額に加えて違約金が発生するケースもあります。

ペットを飼育したい場合は、必ず契約前にペット可物件を選ぶようにしましょう。

契約違反があると費用交渉の余地がほぼなくなります。ルールを守ることが結果的に自分を守ることになります!

退去費用を抑えるための引越し準備も大切

退去費用を抑えるためには、退去前の準備だけでなく引越しそのものをスムーズに進めることも重要です。

立会当日にバタバタしていると、確認が甘くなったり、本来しなくていい費用負担をしてしまうことがあります。

そのため引越し業者は余裕を持って早めに手配しておくことをおすすめします。

おすすめは引越しラクっとNAVIという一括見積もりサイトです。

複数の業者に一括で見積もりを取ることができ、料金の比較と日程の確保を同時に進めることができます。

一括見積もりサイトで引越し業者を探すメリット

1.より安い引越し業者をすばやく見つけることが出来る
2.複数の業者で見積もりを取ることができるので、希望する日程が空いている可能性が高い

退去費用について正しい知識を持っておこう

今回はフローリングの傷に関する退去費用について、以下の内容を解説しました。

  • 部分補修の場合は減価償却なし、全体張り替えの場合は建物の耐用年数に基づく減価償却が適用される
  • 負担範囲は損傷箇所の最小単位が原則で、部屋全体の全額請求は基本的に認められない
  • 部分補修の相場は1か所5,000円〜15,000円、全体張り替えは1平米4,000円〜8,000円程度
  • 退去前にできることとして、入居時写真との比較・養生による傷防止・立会時の確認が重要

退去費用のトラブルは、正しい知識があるかどうかで大きく結果が変わります。

「知らなかった」という理由で余分なお金を払ってしまうのが一番もったいないです。

このブログでは200回以上の退去立会経験をもとに、皆さんが適切に自分のお金を守れるような情報を発信していきます。

ぜひ他の記事も参考にしながら、退去に向けた準備を進めてください。

最後まで読んでいただいて本当にありがとうございました!

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