クロス

クロスに関する退去費用について解説

この記事で解決できる悩み

  • 退去時にクロス(壁紙)の張り替え費用を請求されたけど、何年住んでいたら自己負担が減るの?
  • 壁に傷をつけてしまったけど、部屋全体のクロス代を全部払わないといけないの?
  • クロスの張り替え費用の相場が知りたい。ぼったくられていないか確認したい

上記の悩みを200回以上退去の立会を行ってきた関口の体験談を聞いて参考にしてください!

Contents

クロスに関する退去費用とは

退去費用の中でも、入居者ともめることが一番多いのがクロス(壁紙)に関する費用です。

クロスの張り替え費用は金額も大きくなりやすく、「なぜこんなに高いんだ」と納得できない方も多いです。

しかし、正しい知識を持っていれば不当な請求には毅然と対応できますし、逆に自分が負担すべき金額もきちんと理解できます。

この記事では200回以上退去立会を経験した私が、クロスに関する退去費用について実体験をもとに解説していきます。

1. クロスの経過年数は何年まで負担が必要?

まずここが一番気になるポイントだと思います。

結論から言うと、クロスの耐用年数は6年と定められています。

これは国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」にも明記されています。

原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(国土交通省)

6年住んだらクロスの負担はほぼゼロになる

耐用年数6年というのは、6年間住んだ場合にクロスの価値がほぼ1円(残存価値1円)になるという考え方です。

つまり6年以上住んでいれば、たとえクロスに汚れや傷があったとしても、入居者が負担する金額は限りなくゼロに近くなります

これは入居者にとって非常に重要なルールです。

立会をしていると「6年以上住んでいるのに壁紙の全額を請求されました」という相談もありましたが、それは正しくありません。

年数ごとの負担割合の目安

では6年未満の場合はどうなるのか。

ガイドラインでは、残存価値に基づいて負担割合が決まると考えられています。

簡単に言うと、以下のような目安になります。

  • 入居1年目:約83%の価値が残っているため、負担割合は大きい
  • 入居3年目:約50%の価値が残っているため、負担は折半に近い
  • 入居6年目以降:残存価値がほぼ1円のため、負担はほぼなし

もちろん管理会社や物件によって計算方法は若干異なりますが、この考え方が基本となります。

「入居した時点でクロスが新品だったかどうか」も重要

ここで一点注意が必要なのは、入居時にクロスが新品だったかどうかという点です。

例えば前の入居者がすでに3年住んでいた場合、そのクロスは入居時点で既に3年分の経年劣化が進んでいます。

この場合、あなたが2年住んだとしても、クロスの築年数は合計5年分として計算されるべきです。

入居時に渡された書類や内見時の写真などで、クロスの状態を確認しておくと後々役立ちます。

入居時の状態を写真で記録しておくことが、退去時の費用トラブルを防ぐ最大の対策です!

2. どの損傷箇所のどの範囲まで負担が必要?

経過年数と並んで、もう一つ重要なのが「どの範囲を負担しないといけないか」という問題です。

これについても、ガイドラインに基本的な考え方が示されています。

原則は「損傷した箇所の最小単位」での負担

クロスに関しては、損傷がある部分のみの費用を負担するのが原則です。

例えば壁の一部に穴を開けてしまった場合、その壁一面分の張り替え費用が負担範囲の上限となります。

部屋全体の壁紙を全部張り替えるコストを全額請求するのは、原則として認められていません。

「一面」とはどこからどこまでか

ここで「一面」の定義が曖昧に感じる人も多いと思います。

基本的には、部屋の壁を構成する一枚のパネル(面)単位が目安です。

例えば6畳の部屋なら東西南北の4面があり、傷がある面だけが負担対象となります。

ただし現実的には、クロスの柄や色が廃番になっていたり、部分張り替えをすると色や質感が不揃いになってしまうケースがあります。

その場合、一部屋全体の張り替えが必要になることもありますが、その場合でも全額入居者負担ではなく、経年劣化分は差し引かれます。

入居者負担になるケース・ならないケース

立会の経験から、よくある損傷について整理します。

【入居者負担になるケース】

  • タバコのヤニ汚れや臭いによる変色(通常の使用を超えた損傷とみなされる)
  • 画鋲・ピン以外の穴(釘穴やネジ穴など)
  • 落書きや意図的な傷
  • 結露を放置したことによるカビ・シミ
  • ペットによる引っかき傷

【入居者負担にならないケース】

  • 日照による自然な変色・褪色
  • 家具を置いたことによる壁のへこみ跡
  • 画鋲やピン程度の小さな穴(日常的な使用とみなされる)
  • 経年劣化による黄ばみや変色

立会時に最もよくトラブルになるのがタバコのヤニ汚れです。

喫煙可の物件であっても、ヤニ汚れや臭いが壁全体に染み付いている場合は部屋全体のクロス張り替えが必要になり、費用も高額になります。

喫煙される方は特に注意してください。

エアコンの設置跡はどう扱われる?

これも立会でよく出る話題です。

エアコンを自分で設置した場合、設置跡(壁に残るネジ穴や配管穴)については入居者の負担となるケースが多いです。

ただし管理会社が許可した上での設置であれば、交渉の余地があります。

設置前に管理会社への確認と許可取りをしておくことを強くおすすめします。

3. クロス1平米の相場はいくら?

実際にクロスの費用を請求された時、「これって相場と比べて高くない?」と感じることがあると思います。

ここではクロスの張り替え費用の相場についてお伝えします。

1平米あたりの相場は800円〜1,500円程度

一般的なクロスの張り替え費用の相場は、1平米あたり800円〜1,500円程度と言われています。

ただしクロスの種類や施工業者によって金額は変わります。

高級なクロスを使用している物件や、施工コストの高い都心部などでは1平米あたり2,000円を超えることもあります

逆に地方や低価格帯の物件であれば、800円以下になることもあります。

6畳の部屋を例に計算してみると

では実際に金額感をイメージしてみましょう。

6畳の部屋の壁面積はおおよそ30〜35平米程度になります(天井を含む場合は40〜45平米ほど)。

これに1平米1,000円を掛けると、部屋一室あたり30,000円〜35,000円が目安の金額です。

ただしこれはあくまでも張り替え総額です。

実際の請求額は、先ほど説明した経年劣化分の割引や損傷箇所の範囲によって変わります。

退去精算書を必ず確認しよう

退去後に届く退去精算書には、クロスの張り替え費用が記載されています。

その際に以下のポイントを確認してください。

  • 張り替え面積(平米数)が正確かどうか
  • 単価(1平米あたりの金額)が相場の範囲内かどうか
  • 経年劣化分の減額(年数による割引)が適用されているかどうか

もし単価が異常に高かったり、経年劣化の考慮がされていない場合は、管理会社に内訳の説明を求める権利があります

泣き寝入りせずに、きちんと確認するようにしましょう。

精算書を見て疑問があればすぐに管理会社へ連絡を。無言で払ってしまうのが一番もったいないです!

4. 退去前にできること

ここまでで、クロスの費用負担のルールについて理解していただけたと思います。

では実際に退去前にできることは何があるのか、具体的にお伝えしていきます。

少しの手間で数千円〜数万円の節約につながることもありますので、ぜひ参考にしてください。

まず入居時の写真と現状を比較する

退去前にまず行うべきことは、入居時に撮影した写真と現在の部屋の状態を比較することです。

入居時に写真を撮っていた方は、その写真と現状を見比べてみてください。

入居時からすでにあった傷や汚れは、原則としてあなたの負担にはなりません。

もし入居時に写真を撮っていなかった方は、次の引越しでは必ず撮影するようにしてください。

入居当日に部屋全体をくまなく動画で撮影しておくだけで十分です。

それだけで退去時のトラブルリスクをかなり下げることができます。

小さな穴や傷は自分で補修できる場合がある

クロスの小さな穴や破れは、市販の補修グッズで目立たなくできることがあります

ホームセンターや100円ショップでも「壁補修パテ」や「クロス補修シール」などが販売されています。

ただしここで一点注意があります。

補修の仕上がりが明らかに粗い場合は、かえって張り替えの範囲が広がってしまうこともあります

無理に補修しようとして悪化させてしまうケースも立会で何度か見てきました。

自分での補修は、小さな画鋲穴の補修や軽微な汚れ落とし程度にとどめておくのが無難です。

タバコのヤニ汚れは特に早めに対策を

喫煙している方は、退去前にクロスの汚れ具合を一度しっかり確認してみてください。

ヤニ汚れは一度壁紙に染み込んでしまうと、一般的な清掃では落とすことができません。

そのため張り替えが必要になり、費用も大きくなりやすいです。

もし在住中に喫煙をされている場合は、なるべく換気をしながら喫煙する・空気清浄機を使用するなどの対策をとることで、ヤニ汚れの広がりをある程度抑えることができます。

退去直前になってから慌てても手遅れになりますので、早めの対策が肝心です。

結露によるカビは入居中からこまめなケアが必要

冬場に窓周りの壁が黒くなってしまっている方も多いです。

これは結露を放置したことで発生したカビであり、入居者の管理不足とみなされて費用請求の対象となります。

退去前に気づいた場合は、カビ取りスプレーなどで可能な範囲で対処しておきましょう。

ただし広範囲のカビはクロスの内側(下地)にまで浸透していることもあります。

表面だけきれいにしても下地が傷んでいれば、結局張り替えが必要になりますので、あまり過度な期待はしないようにしてください。

次の物件では、結露が発生したらすぐに拭き取ることと、定期的な換気を心がけてください。

立会前日に部屋全体を再度確認する

引越し当日はバタバタしていて、細かいところまで確認できないことがほとんどです。

そのため立会の前日に、家具や荷物を動かした後の壁をしっかりチェックすることをおすすめします。

家具の後ろに隠れていた壁の汚れや傷が、搬出後に初めて露わになることがよくあります。

発見した損傷が補修できるレベルのものであれば、立会前日に対処しておきましょう。

引越し当日は本当に時間がありません。前日の確認が、余計な出費を防ぐ最後のチャンスです!

立会時に疑問があればその場で質問する

退去立会の場で管理会社の担当者から「ここは費用がかかります」と言われた時に、黙ってサインをしてしまう方が非常に多いです。

しかし立会の場はあなたが疑問を解消できる大切な機会です。

「これは入居時からあった傷では?」「経年劣化の分は差し引かれますか?」など、その場で納得いくまで確認することが大切です。

一度サインをしてしまうと、後から異議を申し立てることが難しくなります。

納得できない場合はサインを保留し、後日書面で回答をもらうよう求めることもできます。

クロス費用のトラブルを避けるための引越し準備も大切

退去費用を抑えるためには、退去前の準備だけでなく引越しそのものをスムーズに進めることも重要です。

立会当日にバタバタしていると、確認が甘くなったり、本来しなくていい費用負担をしてしまうことがあります。

そのため引越し業者は余裕を持って早めに手配しておくことをおすすめします。

おすすめは引越しラクっとNAVIという一括見積もりサイトです。

複数の業者に一括で見積もりを取ることができ、料金の比較と日程の確保を同時に進めることができます

一括見積もりサイトで引越し業者を探すメリット

1.より安い引越し業者をすばやく見つけることが出来る
2.複数の業者で見積もりを取ることができるので、希望する日程が空いている可能性が高い

退去費用について正しい知識を持っておこう

今回はクロスに関する退去費用について、以下の4点を解説しました。

  • 耐用年数は6年で、6年以上住んでいれば負担はほぼゼロになる
  • 負担範囲は損傷箇所の最小単位(基本は一面単位)が原則
  • 1平米あたりの相場は800円〜1,500円程度
  • 退去前にできることとして、入居時写真との比較・補修・立会時の確認が重要

退去費用のトラブルは、正しい知識があるかどうかで大きく結果が変わります。

「知らなかった」という理由で余分なお金を払ってしまうのが一番もったいないです。

このブログでは200回以上の退去立会経験をもとに、皆さんが適切に自分のお金を守れるような情報を発信していきます。

ぜひ他の記事も参考にしながら、退去に向けた準備を進めてください。

最後まで読んでいただいて本当にありがとうございました!

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